
《タイトル》
「桜時(はなどき)」
《サイズ》
P4号(333 × 220mm)
《作品内容》
Kawaiiの字のシルエットに桜と獅子に牡丹と御殿に胡蝶の御所解(ごしょどき)紋様。
《御所解(ごしょどき)》
宮廷風の風景や源氏物語、能の道具を四季の草花とともに華やかに描いた古典柄の紋様。
第十八回目
『ことばの旅』
「ちひさきものは、みなうつくし」
(小さきものは、皆愛らしい)
清少納言の『枕草子』(1002年随筆)にある、小さく可憐なものへの愛着を表現した有名な一節である。
「うつくしい」の古語は「うつくし(愛し・美し)」で、主に「かわいらしい」「いとしい」という愛情を込めた称賛を表している。
無邪気な子供や小さいもの、愛すべき対象への感情などがあげられる。
平安時代以降、次第に「きれいだ」「見事だ」という視覚的な美しさも意味するようになった。
現在では「うつくし」を由来にもつ「かわいい」がよく使われるようになり、元来の意味に加え、愛着の共感や守ってあげたいという特徴を持つ人や動物、物に対して親しみや好意を表現する際などに広く用いられている。
ファッションやキャラクターグッズと結びついた「かわいい」は、日本を代表するポップカルチャーとして脚光を浴びるようになり、アニメやゲームなどのイベントが海外でも行われるようになると、日本の「かわいい」は世界の「kawaii」になったと言われた。
清少納言が『枕草子』を書いた最大の理由は、愛する主君・中宮定子への忠誠と、政治的に苦境にあった定子の生活を慰め、その華やかな宮中文化を後世に残すためであった。
日常の些細な美しさや知的で楽しい出来事を書き留めることで、定子の尊厳と輝きを永久保存しようとしたのである。
時や土地を越えた心の距離感が、たった数文字で表現されていることは、本当に素晴らしいことである。
東園基昭 拝