【東園基昭の「一粒万倍日記」2026.2.8.】

【東園基昭の「一粒万倍日記」2026.2.8.】




《タイトル》
「赤心(せきしん)」 
 
《サイズ》
P4号(333 × 220mm)
 
《作品内容》
チェーン(鎖)のシルエットに桜、雪、うさぎの紋様。
タイトルの「赤心」は、邪心の無い清らかな心、飾りのないまごころの意味。

第十回目
『立春のスノークォーツ』

弟が作る天然石ジュエリーの材料の仕入れに同行する。
 ネパール人のご兄弟がやっている店で、いつも賑やかに出迎えてくれる。
 店内にはボール状の色とりどりの天然石が氷柱のように所狭しと掛けられ、照明を浴びてキラキラと輝くようすに、しばらく呆然としてしまう。
 細やかに産地や特徴を聞きながら慎重に選び、また最近の事情などを交換しつつする会話は、なんだかシルクロードの旅路で出会っているような気持ちにもなり面白い。
 「石はただ見るのと、着用するとでは違った楽しみがある」との説明に、洋服のような親近感を覚える。
 また、弟曰く「石の固さや重みが違うから、組み合わせる時に色や意味だけでなく、着けた時のバランスも考えるのがなかなか難しい」そうである。

 日本には石神(いしがみ/しゃくじん)といって奇石・霊石などを神体または神の依代(よりしろ)として祭った民間信仰が存在するように、「石が人類を創ってきた」といわれるほど人との関わりは絶えることなく続いてきたが、持つことにより美意識を養うと同時に、持ち主の願いや存在を支える役割があることは、まるでシンクロニシティの宇宙の中を漂っているような感じだ。

 冷たさに目覚めて、雪舞う事始めである。


東園基昭 拝

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