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【東園基昭の「一粒万倍日記」2026.9.19】
《タイトル》 「秋信(しゅうしん)」《サイズ》P6号(410 × 273mm)《作品内容》コアラのシルエットに、紅葉、鹿、流水紋様。 第四十一回目『ふれあい山装う』 秋の実りが色づくころ、味覚もまた深みを増してくる。脂の乗った秋刀魚や秋鮭、ホクホクとした栗、甘みを増すさつまいも、香り豊かな松茸や舞茸。梨や柿、ぶどうといった果実も次々と旬を迎え、それぞれが夏に疲れた体を労わり、免疫を整えてくれる。こうした季節の恵みは、味わうだけで終わらない。誰かと「これ、美味しいよ!」と分かち合い、共に食卓を囲む喜びへとつながっていく。親しい間柄で美味を見つけ合い、誘い合って食べに行く。その些細な瞬間にこそ、季節を生きる豊かさが宿っているように思う。 そうした分かち合いの精神は、山を歩く道すがらにも息づいている。登山者同士がすれ違いに交わす挨拶は、単なる礼儀ではない。互いの姿や時間を記憶に残し、万が一の遭難時には手掛かりとなる。狭い道での事故を防ぎ、相手の様子に気を配る。険しい登りで声が出せぬときは、会釈だけで十分だという。無理のない範囲で、気持ちよく人と人が結びつく。それもまた、秋という季節が引き出す人情の一つの形なのだろう。 そして山そのものも、紅葉黄葉に彩られてゆく。この様を「山装う(やま よそおう)」という。まるで山が晴れの装いに袖を通すような、艶やかな言葉である。「草の實の 衣に附くを 咲ふ(くさのみの きぬにつくを わらう)」道端に見つけた草の実が着物にびっしりとついて、思わず互いに笑い合う。そんな穏やかな秋の情景を詠んだ句も、季節の温もりを伝えてくれる。 能の「邯鄲(かんたん)」もまた、この季節に通じる物語を持つ。盧生という青年が、粟の飯が炊けるほどの短い眠りの中で、五十年にわたる皇帝としての栄華と衰えを見る。目覚めれば、すべては一炊の夢であった。人生の栄達もはかなく、消えてゆくものだと悟る盧生の姿は、どこか秋の彩りが移ろい散っていく様と重なる。 しかし、この物語は虚しさだけを語るのではない。夢は現実があってこそ見ることができる。だからこそ、目の前にある一つひとつの出会いや味わい、言葉や景色に、一期一会の心を持って向き合いたい。移ろう季節の中で、人と語らい、味覚を分かち合い、山の姿に見入る。そのすべてが、いま生きているからこそ味わえる、確かな喜びなのだ。 秋の澄んだ空気の下、今日という一日を軽やかに、そして心豊かに楽しんでいきたい。東園基昭拝
【東園基昭の「一粒万倍日記」2026.9.19】
《タイトル》 「秋信(しゅうしん)」《サイズ》P6号(410 × 273mm)《作品内容》コアラのシルエットに、紅葉、鹿、流水紋様。 第四十一回目『ふれあい山装う』 秋の実りが色づくころ、味覚もまた深みを増してくる。脂の乗った秋刀魚や秋鮭、ホクホクとした栗、甘みを増すさつまいも、香り豊かな松茸や舞茸。梨や柿、ぶどうといった果実も次々と旬を迎え、それぞれが夏に疲れた体を労わり、免疫を整えてくれる。こうした季節の恵みは、味わうだけで終わらない。誰かと「これ、美味しいよ!」と分かち合い、共に食卓を囲む喜びへとつながっていく。親しい間柄で美味を見つけ合い、誘い合って食べに行く。その些細な瞬間にこそ、季節を生きる豊かさが宿っているように思う。 そうした分かち合いの精神は、山を歩く道すがらにも息づいている。登山者同士がすれ違いに交わす挨拶は、単なる礼儀ではない。互いの姿や時間を記憶に残し、万が一の遭難時には手掛かりとなる。狭い道での事故を防ぎ、相手の様子に気を配る。険しい登りで声が出せぬときは、会釈だけで十分だという。無理のない範囲で、気持ちよく人と人が結びつく。それもまた、秋という季節が引き出す人情の一つの形なのだろう。 そして山そのものも、紅葉黄葉に彩られてゆく。この様を「山装う(やま よそおう)」という。まるで山が晴れの装いに袖を通すような、艶やかな言葉である。「草の實の 衣に附くを 咲ふ(くさのみの きぬにつくを わらう)」道端に見つけた草の実が着物にびっしりとついて、思わず互いに笑い合う。そんな穏やかな秋の情景を詠んだ句も、季節の温もりを伝えてくれる。 能の「邯鄲(かんたん)」もまた、この季節に通じる物語を持つ。盧生という青年が、粟の飯が炊けるほどの短い眠りの中で、五十年にわたる皇帝としての栄華と衰えを見る。目覚めれば、すべては一炊の夢であった。人生の栄達もはかなく、消えてゆくものだと悟る盧生の姿は、どこか秋の彩りが移ろい散っていく様と重なる。 しかし、この物語は虚しさだけを語るのではない。夢は現実があってこそ見ることができる。だからこそ、目の前にある一つひとつの出会いや味わい、言葉や景色に、一期一会の心を持って向き合いたい。移ろう季節の中で、人と語らい、味覚を分かち合い、山の姿に見入る。そのすべてが、いま生きているからこそ味わえる、確かな喜びなのだ。 秋の澄んだ空気の下、今日という一日を軽やかに、そして心豊かに楽しんでいきたい。東園基昭拝
plastic convenience Hemmy - NEW to GR8
“オモロい”をプロダクトに、機能を遊びに変えるconvenient なアイテムが登場アイデアを形にしたいヤツらが集まり、24時間“オモロい”の予感を持ち寄るものづくりプロジェクト、plastic convenience。「Hemmy」は、長いパンツの裾を地面の汚れや擦れから守るシューズアクセサリー。かかとに装着するだけで、裾上げをせずに理想のシルエットをキープできる。ワイドデニムやバギーパンツの足元に、便利さと遊び心を添える一品。■GR8 - Sat. September 19th at 11:00 AM (JST)■GR8 ONLINE - Sun. September 20th at 10:00 AM (JST) Items sold out at the GR8 physical store may not...
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