【東園基昭の「一粒万倍日記」2026.3.4/5】

【東園基昭の「一粒万倍日記」2026.3.4/5】


《タイトル》
「報之以李 (ほうこれいすもも)」

《サイズ》
P50号(1167x803mm)

《作品内容》
桃のシルエットに鶴、梅、松竹梅紋様。


第十四回目
『春の呼び水』

 春にまつわる言葉は多い。
 「桃の節句」や「雛祭り(ひなまつり)」で有名な「上巳(じょうし)」にはじまり、「長閑(のどか)」や「麗(うらら)」、「花霞(はながすみ)」に「若菜(わかな)」、「風光る(かぜひかる)」と「山笑ふ(やまわらう)」、「春眠(しゅんみん)」に「春の宵(はるのよい)」や「朧月(おぼろづき)」など自然や生活より季節の間に多彩な芸術感があることが窺える。
 また日本画でもこう言った春を題材にした作品が多く散見される。
 ちなみに雛祭りは始めは宮中や貴族の間で行われており、紙製の小さな人形に穢れ(けがれ)を移して川や海に流して災厄を祓う祭礼を行っていた。
 やがて武家社会でも行われ、人形が次第に精巧なものになって流さずに飾っておくようになり、江戸時代には女の子の「人形遊び」と「節句の儀式」が結び付けられ、豪華な雛人形は雛祭りとして発展し、その後に庶民の行事となったそうである。
 季節や時代がうつろう様子に気持ちが重なり、この「春時雨(はるしぐれ)」が瑞雨となるよう祈りつつ、花咲く頃を待ち遠しく思う。


東園基昭

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